補助金

【2026年4月締切】事業承継・M&A補助金とは?最大1,000万円の4つの枠を解説

「会社を息子に引き継ぎたいけど、設備を入れ替える資金がない」
「M&Aで会社を買ったけど、仲介手数料が想定以上に重かった」

事業承継・M&A補助金は、こうした費用を最大1,000万円まで補助してくれる国の制度です。中小企業庁が運営しています。

2025年の制度改正で、旧「事業承継・引継ぎ補助金」から名称が変更されました。枠も3つから4つに拡充。補助上限額も引き上げられています。ネットで旧名称の情報が出てくることがありますが、現在の正式名称は「事業承継・M&A補助金」です。

現在、第14次公募の受付中。締切は2026年4月3日です。

この補助金の要点

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  • 補助金名:事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)
  • 補助額:最大600万〜1,000万円(枠によって異なる)
  • 補助率:1/2〜2/3
  • 対象者:事業承継やM&Aを予定・実施した中小企業・小規模事業者
  • 主な使い道:設備投資、M&A専門家への手数料、PMI費用、廃業費用
  • 締切:2026年4月3日(第14次公募)
  • 公募状況:受付中(2026年2月27日〜)

4つの枠の違い

この補助金には4つの枠があります。最初に「自分がどの枠に当てはまるか」を判断することが大切です。

事業承継促進枠

親族や従業員に会社を引き継ぐ予定がある人向け。承継に伴う設備投資や販路開拓の費用を補助します。

たとえば「父から製造業を引き継ぐにあたり、老朽化した機械を更新したい」といったケースが典型です。

  • 補助上限:800万円(賃上げ実施で1,000万円に引き上げ)
  • 補助率:1/2(小規模事業者は2/3)
  • 対象経費:設備費、外注費、委託費、広報費、謝金、旅費など

旧制度では「経営革新枠」という名前でした。上限も600万円から800万円に引き上げられています。

専門家活用枠

M&Aを進めるために専門家(FA・仲介会社など)を活用する人向け。買い手と売り手で類型が分かれます。

  • 買い手支援類型:上限600万円(DD費用を含めると最大800万円)
  • 売り手支援類型:上限600万円(DD費用を含めると最大800万円)
  • 小規模売り手支援類型:上限450万円
  • 補助率:買い手は1/2、売り手は1/2(赤字や営業利益率低下の場合は2/3)

対象経費は、FA手数料、仲介手数料、デュー・ディリジェンス費用、表明保証保険料など。

気をつけてほしいのは、FA・仲介費用は「M&A支援機関登録制度」に登録された業者への支払いに限られること。未登録の業者に払った費用は補助対象外です。すでに契約済みの業者がいる場合、登録状況を確認してください。

なお、売上100億円を目指す「100億宣言企業」の要件を満たす場合は、買い手の補助上限が最大2,000万円まで拡大します。

PMI推進枠(新設)

M&A後の経営統合(PMI)に取り組む買い手企業向け。令和6年度補正予算で新たに設けられた枠です。

  • PMI専門家活用類型:上限150万円(補助率1/2)
  • 事業統合投資類型:上限800万円(賃上げで1,000万円。補助率1/2〜2/3)

「会社を買収したのはいいけど、会計システムの統合や就業規則の整備にお金がかかる」。そんな悩みに対応します。要するに、M&Aは「買った後」にもお金がかかる。その部分を国が補助してくれるわけです。

廃業・再チャレンジ枠

事業承継やM&Aに伴い廃業する場合の費用を補助します。他の3枠と併用できるのが特徴。

  • 補助上限:300万円(他枠に上乗せ可能)
  • 補助率:1/2
  • 対象経費:原状回復費、在庫処分費、解体費、土壌汚染調査費、リース解約費など

つまり、事業承継促進枠(最大1,000万円)と廃業・再チャレンジ枠(300万円)を併用すれば、最大1,300万円の補助を受けられる計算です。

事業承継・M&A補助金の4つの枠の違い

対象者

対象になる人

  • 中小企業者・小規模事業者(中小企業基本法の定義に該当する企業)
  • 日本国内に本社と補助事業の実施場所があること
  • gBizIDプライムのアカウントを持っていること

枠ごとの追加条件

  • 事業承継促進枠:5年以内に親族内承継・従業員承継を予定していること
  • 専門家活用枠:補助事業期間内にM&Aの譲り渡し・譲り受けを予定していること
  • PMI推進枠:M&Aのクロージングから原則1年以内であること

たとえば、従業員30人の製造業で、来年中に息子へ代表を引き継ぐ予定。承継を機に生産ラインを刷新したい。この場合は事業承継促進枠の対象です。

大企業は対象外。また、gBizIDを持っていない場合は取得に2〜3週間かかるため、早めに準備を始めてください。

補助金額・補助率

補助率は1/2が基本。小規模事業者(製造業なら従業員20人以下、商業・サービス業なら5人以下)は2/3に優遇されます。

では、具体的にいくら戻ってくるのか。

ケース1:事業承継に伴う設備投資

食品製造業を父から引き継ぐにあたり、新しい製造ラインを1,200万円で導入する。小規模事業者に該当する場合、補助率は2/3。800万円が補助されます。自己負担は400万円です。

ケース2:M&Aの仲介手数料

M&Aで会社を買収。仲介手数料が400万円、DD費用が150万円、合計550万円。買い手支援類型で補助率1/2なら、275万円が戻ってきます。自己負担は275万円。

ポイントは後払いであること。先に全額を自分で支払い、実績報告の審査後に補助金が振り込まれます。つまり、立て替えられるだけの手元資金が必要です。融資と組み合わせて資金繰りを設計しておくと安心です。

注意点

1. 交付決定前に発注したらアウト

これが最大の落とし穴です。「採択されるだろう」と見込んで先に設備を発注してしまうと、その費用は補助対象になりません。必ず交付決定通知を受け取ってから発注してください。契約書にサインしただけでもNGになるケースがあります。

2. gBizIDの取得に時間がかかる

申請は電子申請(jGrants)のみ。紙での申請はできません。gBizIDプライムの取得には印鑑証明書と登記簿謄本が必要で、発行まで2〜3週間。締切ギリギリに動き始めると間に合いません。

3. 5年間の報告義務がある

補助事業が終わっても、5年間にわたって事業化状況の報告が求められます。収益が一定以上出た場合は、補助金の一部を返納する「収益納付」の対象にもなります。補助金は「もらいっぱなし」ではない。この点は事前に理解しておいてください。

申請の流れ

  1. gBizIDプライムを取得する(未取得なら今すぐ申請。2〜3週間かかる)
  2. 公募要領を確認し、事業計画書と必要書類を準備する
  3. jGrants(電子申請)で申請を提出する
  4. 書面審査(外部有識者を含む。1〜2ヶ月程度)
  5. 採択結果の公表・交付決定
  6. 補助事業を実施(交付決定後に発注・支払い)
  7. 実績報告書を提出(事業完了後15日以内)
  8. 確定検査を経て、補助金が口座に振り込まれる

第14次公募の締切は2026年4月3日17時。今後も年3〜4回のペースで公募が行われる見通しです。

ちなみに、過去の採択率は約60%。ものづくり補助金(約50%)よりやや高めの水準です。事業計画の具体性と、補助金の趣旨との合致度が審査のポイントになります。

公式情報・問い合わせ先

詳しい要件や最新の公募要領は公式サイトで確認してください。

https://shoukei-mahojokin.go.jp/r6h/

問い合わせ先

  • 事業承継促進枠:050-3192-6274
  • 専門家活用枠・廃業再チャレンジ枠:050-3145-3812
  • PMI推進枠:050-3192-6228

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著者: PGN-consulting 編集部

融資・補助金の専門家チーム